私は初めての配属がデータセンターでした。
応援など含めデータセンターの勤務は6箇所のデータセンターを経験しています。
設備管理(以下ビルメン)が働く現場には、オフィスビル、病院、商業施設など様々な現場があります。
データセンターもその現場の一つになります。
データセンター勤務は、ビルメンの配属される施設の中において、基本忙しく多くの知識を必要とします。
データセンターを管理しているビルメン会社は、基本的に系列系ビルメン会社になります。
ビルメンが働く現場としては特殊な現場で、あまり馴染みのない方も多くいらっしゃるかと思います。
この記事では、ビルメンとしてデータセンター勤務を経験してきた私が、データセンターの勤務について説明させていただきます。
データセンターとは、IT機器などを設置し、正常に運営できるよう管理する施設となります。
基本的に「サーバー」と呼ばれる機器を設置しており、そのサーバーへ電力を供給し、温湿度管理するための施設です。
このサーバーには様々な重要データが蓄積されています。
株や銀行、通運、クラウドデータ、顧客情報など、各企業の様々な重要データが管理されています。※詳しい中身は常駐者ですら分かりません。
これらのデータは途切れることなく運用しており、もし停電などで途切れてしまうと社会インフラに多大な損害や影響がでてしまいます。
1秒停電するだけで数十億円の損害が発生することもあります。
場所によっては日本経済が激変してしまうような施設もあります。
そのため、停電やオーバーヒートなどによる故障がないよう、高性能な電気設備や空調設備を設置しているのが【データセンター】になります。
電力会社がお金を持て余して子会社で運営したり、銀行や証券会社、警備会社、携帯電話会社、IT企業などが独自に設置したりと様々なデータセンターがあります。
データセンターのセキュリティはとても高いです。
客先の名称もそれぞれコードで決められており、数字だったり英語の頭文字だったりして、常駐者も何の会社なのか分からないときがあります。
※ただし、大体が休憩所や喫煙所の会話とかで分かったりします。
「1社とA社の○○設備点検行ってきます!」という感じです。
もちろん施設によって様々ですが、基本的に以下のような感じです。
常駐警備員の配置は必ずあります。
など様々ありますが、多い所ですと20人体制くらいで監視しているところもありました。
警備員とビルメンは大体「運命共同体」な感じで、客先からのクレーム対応をしたり、同じ部屋で勤務したり、同じ部屋で仮眠や休憩をとったりという現場も多々ありました。
データセンターでは「IDカード」で入室権限をかけてあります。
エレベーターなども、IDカードの権限で降りれる階が指定される施設もあります。
データセンター内へ常駐者以外が入館するには、ある一定以上の権限を持っている人が承認しない限り、IDカードの発行はできず館内への入館はできません。
発行されているIDカードは常に監視されており、だれがどこのエリアにいるのかがすぐに分かるようになっています。
また、静脈認証や指紋認証などのデータを登録しないと通行できない施設もあります。
入館する際も、検品や金属ゲート探知機、ボディースキャナーなど、空港設備以上のセキュリティー設備を備えている施設もあります。
監視カメラはいたるところに設置されており、トイレやシャワールーム以外は死角無くほとんど監視されています。
勤務者は「監獄」と呼んでいます(笑)
少し画角がずれて、大問題に発展したりすることもしばしば・・・
持込み物にも制限がある場合がほとんどです。
特に情報機器媒体(PCやメモリー、カメラなど)には気を配っており、許可申請をして承認を得られなければ持ち込みができない施設がほとんどです。
そのため携帯電話ですら持込みに制限がかかります。
もし持ち込んでしまった場合は、データのチェックなどを、上層部の許可がないと持出し(持ち帰り)ができない場合がほとんどです。
火気や危険物にも気を配っており、ライターなどを持込み規制している施設もあります。
ライター等火器・危険物持ち込み禁止施設では、煙草を吸われる方用に、喫煙室にライターが設置されています。
基本、山奥や海沿いなど、なんでこんな場所に施設が?って場所にあることが多いです。
また、どこが入り口なのか、分かりずらかったりする設備も多いです。
セキュリティーが厳しいこともあり、地図上へ表示してない施設もあります。
データセンターの設備は基本全てが大きいです。
受変電設備は66kV受電で、特別高圧受電設備になっていることがほとんどです。
大体が予備線・予備電源になっており、電力会社での事故対策をしています。
熱源設備ではターボ冷凍機(大型冷凍機)が設置されており、小さくても300RT以上はあります。
蓄熱層を設けて、夜間に冷凍機を起動させて電力削減を図る施設もあります。
UPS設備も容量500kVA前後のものが数十台設置されていたり、発電機設備も4,000KVA前後のものが2~16台設置されています。
ほとんどの設備はN+1以上冗長化されており、一台故障しても大丈夫なようにバックアップ機が設置されている場合がほとんどです。
そのため、1系2系やA系B系などの名称が付きます。
1系と2系、A系とB系でメーカーを変えて、リコール問題等に対策を打ってる施設もあり、協力会社点検は大変なところもあります。
データセンター勤務で必要とされる資格は場所にもよりますが、以下のものを条件としている施設が多かったです。
基本「ビルメン4点セット」は持ってて当たり前。
ビルメン4点セットについては、↓こちらで解説させていただきましたので、お時間あるときにでもご確認いただけたらうれしいです。
>>>ビルメン4点セットとは?取得のすすめ「難易度や取得のおすすめ順も教えます」
「ビルメン三種の神器(電気主任技術者は【2種】必須)」と「第一種冷凍機械責任者」は1名以上必須です。
ビルメン三種の神器については、↓こちらで解説させていただきましたので、お時間あるときにでもご確認いただけたら幸いです。
>>>ビルメン三種の神器とは?取得のすすめ「難易度や取得のおすすめ順も教えます」
一応データセンタでの必要資格を記載します。
などがありました。
特に
は選任者が必要なため、必須条件でした。
荷物の搬入用にクレーンが設置されていたり、窓ガラス清掃用にゴンドラが設置されていたりと、土木工事系の資格も必要なところがありました。
また、大きいデータセンターだと、消防設備も第1~7類のものが全て設置してあるところもありました。
消防設備士については、↓こちらで解説させていただきましたので、お時間あるときにでもご確認いただけたら嬉しいです。
冷凍機は認定設備となっており、選任は必要ないところがほとんどですが、冷凍機械責任者を配置し、不具合などで補修工事などして認定設備取消があった場合でも対応できるよう「第一種冷凍機械責任者」が必要とされています。
第一種冷凍機械責任者については、↓こちらで解説させていただきましたので、お時間あるときにでもご確認いただけるとうれしいです。
>>>第一種冷凍機械責任者を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
また、ガス消火設備も設置しているため「高圧ガス取扱責任者」の選任も必要です。
実際はオフィスビルと同じで、当たり外れはあります。
基本的には外れが多く、毎日朝から晩まで何かしらしてます。
点検や管球交換ですら入室制限がかかっているため、日時どおりに入室し、客先の指定時間内に作業を終えなければなりません。
もし間違って入室したら、もちろん監視されているわけで、会社の上司が呼ばれて一緒に謝罪なんてこともあります。
不具合が発生したときなんかは最悪です。
経年劣化で不具合となる場合でも、
などなど・・・
夜勤の時も必ず1~5人体制で監視室や防災センターなどで待機してます。
ビルメンや警備がミスしたら、何ヶ月~数年間も会議や報告会に出席し、今後の対応などについて、客先のOKがでるまで報告書や対策の修正を求められる現場もありました。
また、所長なんかになると超最悪です・・・
毎日電話の嵐で、逃げ場がない監禁状態です。
休みだろうが、海外行ってようが関係なく電話が掛かってきます。
精神状態がどうにかなってしまうのではないかと、いつも心配しながら見守ってます(笑)
データセンターの所長は鋼のメンタルが無いと無理です!
当たりの現場は二次受けなどの場合です。
責任は契約会社が取ってくれるので好き勝手できます。
この場合は最高で、私はこの時期に戻りたいと日々願っています(笑)
今回はデータセンターについて
を紹介させていただきました。
正直激務になることは多いです。
ですが、普通では見られない設備などが設置されており、勉強にはもってこいの施設ではないかと思います。
もちろん勤務するにも、ある程度の条件がないと働くことも厳しいですが・・・
最終的に愚痴っぽくなってしまい、申し訳ございません。
まだ、色々書きたかったんですが、機密情報はだせないのでご了承ください。
ビルメンについての概要は、↓こちらこちらで書かせていただきましたので、合わせてご覧ください。
>>>ビル設備管理・施設管理・ビルメンテナンスってどんな仕事内容なの?
ビルメン会社には、【独立系】と【系列系】の企業形態があり、↓こちらで解説していますので興味がある方はご確認ください。
>>>ビル管理(ビルメン)会社の【独立系】と【系列系】の給料や業務の違い
【クラウド&データセンター完全ガイド 2019年春号 (インプレスムック)】という本も販売されており、データセンターに興味がある方は読んでいただくと、さらに詳しい内容が分かりますので、一度読んでみてもいいかもしれません。
一人でも多くの方の参考になれば幸いです。
では、ぶちキリンでした。
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