第3類消防設備士試験の実技試験には『鑑別等試験』と『製図試験(甲種のみ)』があります。
問題数としては
- 鑑別等試験:5問
- 製図試験:2問
となります。
鑑別等試験では、「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」からの問題も多く出題されます。
しっかりと「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目も理解しておきましょう。
この記事では、第3類消防設備士試験の実技試験『鑑別等試験の写真鑑定』に焦点を絞って解説させていただきます。
第3類消防設備士の概要については、↓こちらで解説させていただきましたので興味がある方はご確認ください。
>>>第3類消防設備士を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
第3類消防設備士の実技試験『鑑別等試験』
鑑別等試験では基本的に以下のものが出題されます。
- 配管へ接続する弁体
- ガス消火設備
- 計器
- 配管接続
- 試験方法
などが出題されやすいです。
「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を基礎として出題されることが多いです。
まずは「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を理解しておきましょう。
第3類消防設備士の写真鑑定問題
第3類消防設備士の写真鑑定問題では、多くの機器や工具などが出題されます。
分かりやすいものから徐々に時間をかけて覚えることが重要です。
以下に出題が多い機器を紹介していきます。
写真鑑定については、「ニッタン」のホームページを見るのがオススメです。
配管類の写真を見るには「スミス」のホームページがオススメです。
工具類に関しては「RIDGID」のホームページは沢山あって便利です。
写真鑑定問題:弁体・バルブ
弁体やバルブ類はとても出題されやすいです。
名称、設置個所、用途及び機能、留意事項は覚えるようにしましょう。
選択弁
出典―ニッタン
設置個所 | 専用の機器室、パイプシャフト等 |
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用途・機能 | 防護区画が2以上存する場合において貯蔵容器を共用するときに防護区画ごとに設ける |
留意事項 | 常時閉止状態にあって、電気式、ガス圧式等の開放装置により開放できるもので、かつ、手動によっても容易に開放できるもの(開放装置を手動により操作するものを含む。) |
閉止弁
出典―ニッタン
設置個所 | 貯蔵容器と選択弁との間の管又は容器弁と起動用ガス容器との間の管 |
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用途及び機能 | 手動操作又は遠隔操作により、放出ガスを開放及び閉止する |
留意事項 | 手動操作部には、開閉の方向、開放及び閉止の位置が表示されていること |
逆止弁
出典―ニッタン
設置個所 | 貯蔵容器と貯蔵容器の間 |
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用途及び機能 | 放出本数を制御する |
写真鑑定問題:計器
計器類は出題される可能性は非常に低いですが、念のために覚えておくのをオススメします。
圧力調整器
出典―ヤマトプロテック
消火器へ装着する目的 | 窒素ガスを消火器本体に導入する際に減圧させる |
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装着する消火器 | 窒素ガス加圧式大型粉末消火器 |
写真鑑定問題:配管
配管の分野からも出題されるものは多いです。
数が多いですがしっかりと覚えておきましょう。
フランジ
出典―ミスミ
用途及び機能 | 管の接続とフランジ型機器の取りつけに用いる。管を開店することなく接続できるので、プレハブ工事や増改築の際にも用いられる |
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留意事項 | ボルト・ナットを締め付ける際は片締めにならないように、体格の場所から何回にも分けて均等に締め付けを行う |
可とう管
出典―ミスミ
用途及び機能 | 配管が地震等の際に相対変位が予測される部分にまたがって、固定又は支持されている場合は、耐震措置の一環として可とう性のある管または管継手で接続する |
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留意事項 | 配管の耐震措置には、壁又は床の貫通部を固定部として使用しない。 直近における分岐や屈曲を避ける。 |
ソケット
出典―ミスミ
用途及び機能 | 管径が等しい2本の直管を接続するために用いる継手 |
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チーズ(ティー)
出典―ミスミ
用途及び機能 | 配管をT字に分岐接続する |
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エルボ
出典―ミスミ
用途及び機能 | 流体の方向転換が必要な箇所に用いる継手 |
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ユニオン
出典―ミスミ
用途及び機能 | 配管された管を開店することなく接続できるため、上下または左右から管相互の接続が可能 |
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留意事項 | 口径が大きい場合はフランジ継手が用いられる |
クロス
出典―ミスミ
用途及び機能 | クロスとは十字状の形状をした継手で、4つの管を接続する |
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留意事項 | 装置配管にはあまり使用されない |
径違いソケット
出典―ミスミ
用途及び機能 | 口径の異なる管の接続 |
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留意事項 | 口径の大きい箇所が上流側とする。 |
ターンバックル付吊バンド
出典―ミスミ
設置個所 | 上部にある配管など |
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用途及び機能 | 鋼管・塩ビ管など各種配管で、天井から吊り下げられる横引き配管の支持金具 |
ローラー付吊バンド
出典―ミスミ
設置個所 | 上部にある蒸気配管などの伸縮する管 |
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用途及び機能 | 蒸気管などの伸縮配管をローラー機構で支持することにより、スムーズな配管伸縮を行い、配管にかかる熱応力を減少させる |
Uボルト
出典―ミスミ
用途及び機能 | アルファベットのU字型をした形状の両先端にねじが切ってありパイプの保持に使用 |
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三角ブラケット
出典―ミスミ
用途及び機能 | 横走り管を躯体の壁から支持固定するための 支持金具 |
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写真鑑定問題:ガス消火設備
写真鑑定でのカス消火設備は出題されやすいです。
しっかりと覚えておきましょう。
制御盤
出典―ニッタン
設置個所 | 貯蔵容器の設置場所又はその直近 |
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用途及び機能 | 手動起動装置又は感知器からの信号を受信して、警報装置を作動させる |
留意事項 | 消火設備の起動、遅延、放出及び空調機器等の停止の制御を行うもの |
噴射ヘッド
出典―ニッタン
設置個所 | 通信機器室又は電子計算機器室の付室 |
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用途及び機能 | 不活性ガス消火剤、ハロゲン化物消火剤又は粉末消火剤を放射する 本体、ノズル、ホーン、デフレクター等により構成される |
留意事項 | 防護区画は、2以上の室にまたがらないこと |
容器弁開放装置
出典―ニッタン
設置個所 | 貯蔵容器開放部 |
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用途及び機能 | 容器弁を開放するために容器弁の封板を破壊する装置で、起動用ガス 容器のガス圧によりピストンを押し、カッター又はニードルを封板に突き当てて破壊する |
留意事項 | 安全装置が設けられているものとする |
ガス系消火設備手動起動装置
出典―ニッタン
設置個所 | 防護区画入口 |
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用途及び機能 | 火災発生時、ボックス内のボタンを押して消火ガス放出装置を起動する |
ガス消火剤放出表示灯
出典―ニッタン
設置個所 | 防護区画入口 |
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用途及び機能 | 防護区画に消火剤が放出された旨を表示する |
ダンパー復帰装置
出典―ニッタン
設置個所 | 防護区画入口(ガス系消火設備手動起動装置近くに設置されることが多い) |
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用途及び機能 | 消火完了時、ダンパーを復旧する際に、消火ガス圧連動ダンパー (ピストンレリーザーダンパー)のスを抜く |
移動式二酸化炭素消火設備
出典―ニッタン
設置個所 | 電気設備が設置されている施設や通信機器室、ボイラー室・乾燥室など多量の火気を使用する施設、自動車の修理・整備工場、駐車場等 |
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用途及び機能 | 設置個所での火災鎮火(初期火災) |
貯蔵容器
出典―ニッタン
設置個所 | 点検ができる空間が確保された箇所 |
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用途及び機能 | 不活性ガス消火設備の貯蔵容器及び起動用ガス容器、ハロゲン化物消火設備の貯蔵容器又は貯蔵タンク及び加圧用ガス容器並びに粉末消火設備の貯蔵容器等及び加圧用ガス容器 |
留意事項 | 防護区画を通ることなく出入りできること |
写真鑑定問題:工具
工具も良く出題される項目です。
電気工事士試験でも使用する物が多いので、覚えやすいかと思います。
用途を問われることは滅多にありませんが、覚えておいて損はないです。
パイプバイス
出典―RIDGID
用途及び機能 | パイプを正しく切るために保持する |
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ねじ切り器
出典―レッキス工業
用途及び機能 | 配管に使用される管用ねじのおねじを切る |
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パイプレンチ
出典―RIDGID
用途及び機能 | パイプの取付けなどに使用する |
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パイプベンダ
出典―RIDGID
用途及び機能 | 管を常温で扁平することなく曲げる |
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パイプカッター
出典―RIDGID
用途及び機能 | パイプを切断する |
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チェーンレンチ
出典―RIDGID
用途及び機能 | パイプの取付けなどに使用する |
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リーマ
出典―RIDGID
用途及び機能 | 切断面の端部処理(バリ取り)に使用する |
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第3類消防設備士のおすすめ参考書
オススメする第3類消防設備士の参考書を3冊紹介させていただきます。
- ラクラクわかる!3類消防設備士 集中ゼミ
- ラクラク解ける! 3類消防設備士 合格問題集
- 第1類消防設備士受験直前対策 第1・2・3類
「消防設備士受験直前対策 第1・2・3類」は、1類消防設備士と2類消防設備士でも流用が可能です。
また、消防設備士試験で各類のオススメ参考書の紹介と、参考書の選び方については、↓こちらで解説していますのでお時間あるときにでもご確認ください。
>>>各類消防設備士免状取得の為の参考書の選び方│合格者が使用した本を選ぼう
要点ガッチリ 消防設備士3類
私が受験したころはこの参考書は発売されていませんでした。
書店で見かけて確認しましたが、文章ばかりで、読みづらい部分もありますが必要な内容は全て網羅されています。
私が使用していた3類消防設備士参考書は内容が薄く、色々と調べて勉強していましたが、この参考書はきっちりと書かれていたため、この本で資格勉強できるのは羨ましいです。
この参考書に書いてあるものを全て覚えれば、必ず合格はできます。
私が今まで見てきた中で一番良いと思ったのが、こちらの参考書『要点ガッチリ 消防設備士3類』になります。
準備バッチリ 消防設備士3類問題集
私が受験したころはまだこちらの問題集は発売されていませんでした。
消防設備士試験の合格のコツは「問題集をひたすら解く」ことですので、合格を目指されるのでしたら購入しておいて間違いありません。
合格を目指すなら絶対に購入しておきたい参考書です。
消防設備士受験直前対策 第1・2・3類(一般財団法人日本消防設備安全センター)
様々な写真や図で解説してあるので、とても分かりやすいです。
文字も大きいので読みやすいですし、問題集も軽くついています。
また、1~3類の消火設備全てに対応しているので、2類・3類も受験予定の方はこの一冊があるととても重宝しますので、購入をオススメします。
ただし、日本消防設備安全センターでしか購入できませんので、送料等で高くついてしまいます。
まとめ
今回は第3類消防設備士の
- 第3類消防設備士の実技試験『鑑別等試験』
- 第3類消防設備士の写真鑑定問題
- 第3類消防設備士のおすすめ参考書
について書かせていただきました。
しっかりと勉強すればだれでも合格はできます。
消火栓設備の種類から扱い方などの問題もあり、防火防災などの災害知識としても役に立つことが身に付けます。
資格取得と合わせて、災害への関心も深めていただければと思います。
消防設備士全体の概要は↓こちらで解説させていただきました。
全ての消防設備士の取得を目指している方は、見ていただければ少しはお手伝いができるかと思います。※特類を除く
私のプロフィール(保有資格等)は、↓こちらに記載していますので興味がありましたらご確認ください。
>>>メッセージ&プロフィール ブログを始めた理由と保有資格
一人でも多くの方の参考になれば幸いです。
では、ぶちキリンでした。
Twitter: @buchikirin1もやってますので、ぜひフォローの方よろしくお願いします。