第2類消防設備士試験の実技試験には『鑑別等試験』と『製図試験(甲種のみ)』があります。
問題数としては
となります。
鑑別等試験では、「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」からの問題も多く出題されます。
しっかりと「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目も理解しておきましょう。
この記事では、第2類消防設備士試験の実技試験『鑑別等試験の写真鑑定』に焦点を絞って解説させていただきます。
※第1類消防設備士試験の実技試験『鑑別等試験の写真鑑定』と同じような内容となります。
第2類消防設備士の概要については、↓こちらで解説させていただきましたので興味がある方はご確認ください。
>>>第2類消防設備士を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
鑑別等試験では基本的に以下のものが出題されます。
などが出題されやすいです。
「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を基礎として出題されることが多いです。
まずは「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を理解しておきましょう。
第2類消防設備士の写真鑑定問題では、多くの機器や工具などが出題されます。
分かりやすいものから徐々に時間をかけて覚えることが重要です。
以下に出題が多い機器を紹介していきます。
写真鑑定については、「ニッタン」のホームページを見るのがオススメです。
ニッタン株式会社の日本国内ポータルサイトです。製品情報、サポート情報の他、会社情報、採用情報などをご覧頂けます。 ニッタン株式会社 – |
弁体・バルブ類は「KITZ」のホームページに沢山掲載されています。
株式会社キッツおよびキッツグループの概要、製品情報、IR情報等をご紹介しています。 KITZ – |
工具類に関しては「RIDGID」のホームページは沢山あって便利です。
RIDGID®は専門家による仕事のための革新的ツールの大手メーカーで、300種以上のツールを提供し、140か国以上でその製品を販売しています。 頑丈な現場の各種ツール | RIDGIDプロフェッショナルツール (リジッド) – |
弁体やバルブ類はとても出題されやすいです。
名称、設置個所、用途及び機能、留意事項は覚えるようにしましょう。
設置個所 | 水源の水位がポンプより低い位置にある場合の給水管の先端 |
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用途・機能 | ポンプ及び給水管内の水が水源に逆流するのを防止する |
留意事項 | ろ過装置付きとする。 点検及び整備ができるもの。 |
スイング式
リフト式
設置個所 | 加圧給水装置の吐出し側、呼水管、補助高架水槽、送水口などを逆流を防止する必要がある箇所 |
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用途及び機能 | 一方向にだけ水を流す構造であるため、一時側の圧力が高い場合にのみ水が流れ、二次側の圧力が高い場合または動圧の場合は閉止する |
留意事項 | 流れの方向を示す矢印が表示されていること |
設置個所 | スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備等の配管途中 |
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用途及び機能 | 消火に必要な区域のすべてのヘッドに送水する |
留意事項 | 流れの方向を示す矢印が表示されていること |
用途及び機能 | 一斉開放弁の手動起動に用いる |
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留意事項 | 専用のレンチを使用する |
設置個所 | 圧力損失が大きいと困る場所 |
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用途及び機能 | 弁体が流体の通路を仕切って開閉を行う |
留意事項 | 中間開度で流体にさらされると弁体振動のおそれがあるので、全開または全閉で使用する |
設置個所 | 流量調整や送水を遮断する必要がある箇所 |
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用途及び機能 | 弁体が弁座に密着すれば閉弁、離れれば開弁、流量の調整は弁座の開口面積ではなく弁体のリフト量(弁座からの距離)で行える |
留意事項 | 流れの方向が変わるとその通路が急拡大・急縮小するので、流体がバルブを通過する際に生じる圧力損失は大きくなる |
設置個所 | 圧力損失が大きいと困る場所 |
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用途及び機能 | 孔の空いた球形の弁体が、弁棒を軸に回転して流路を開閉する |
留意事項 | 全開・閉以外の途中の開度で流量調整などに使用しない |
設置個所 | 圧力損失が大きいと困る場所、流量調整や送水を遮断する必要がある箇所 |
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用途及び機能 | 外周に弁座面をもつ円板状の弁体が、弁棒を軸に回転して流路を開閉する |
留意事項 | 体が板状のためウォーターハンマや不平衡トルクが生じやすいため、操作には注意を要する |
計器も出題されやすいですが、数は少ないのでしっかりと覚えておきましょう。
用途及び機能 | 泡消火剤の混合濃度を測定する |
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留意事項 | 手持屈折計は、もともと果実の糖度分を測定するもの。泡消火剤と水源にも糖度が存在し、泡水溶液にはもちろん糖度を有する。場所によって糖度地が異なる為、試験の都度換算グラフを作成する。 |
設置個所 | ポンプの吸い込み側(吸水管側) |
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用途及び機能 | 大気圧(0点)をはさんでゲージ圧と負圧を表示する |
留意事項 | 水源の水位がポンプより高い位置にある場合は、水源との間に止水弁を設ける。 |
設置個所 | ポンプの吐出し側 |
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用途及び機能 | 気体や液体の圧力を測定する |
留意事項 | 急激な加圧又は減圧を避ける |
設置個所 | 流量調整が必要な個所(消火ポンプなど) |
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用途及び機能 | 流量を測定する |
留意事項 | 使用目的に合った方式(IN式、OUT式)を選択する |
設置個所 | 屋内消火栓又は屋外消火栓のノズルの先端からノズル口径の1/2に相当する距離だけ離れた位置 |
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用途及び機能 | 棒状放水の放水圧力を測定する |
留意事項 | 水流の中央に、ゲージの指針が安定するようにあてて圧力を読み取る |
配管の分野からも出題されるものは多いです。
数が多いですがしっかりと覚えておきましょう。
用途及び機能 | 管の接続とフランジ型機器の取りつけに用いる。管を開店することなく接続できるので、プレハブ工事や増改築の際にも用いられる |
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留意事項 | ボルト・ナットを締め付ける際は片締めにならないように、体格の場所から何回にも分けて均等に締め付けを行う |
用途及び機能 | 配管が地震等の際に相対変位が予測される部分にまたがって、固定又は支持されている場合は、耐震措置の一環として可とう性のある管または管継手で接続する |
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留意事項 | 配管の耐震措置には、壁又は床の貫通部を固定部として使用しない。 直近における分岐や屈曲を避ける。 |
設置個所 | 加圧送水装置の吐出し側の主配管上または必要と思われる箇所 |
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用途及び機能 | 給水管内のごみなどを除去し、ヘッドの目詰まりを防止する |
留意事項 | 網目または円孔の計は、ヘッドの際承水路の1/2以下とし、網目または円孔の面積の合計は管の断面積の4倍以下であること。 容易に整備を行うことができるものであること。必要に応じてバイパスを設ける) |
用途及び機能 | 管径が等しい2本の直管を接続するために用いる継手 |
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用途及び機能 | 配管をT字に分岐接続する |
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用途及び機能 | 流体の方向転換が必要な箇所に用いる継手 |
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用途及び機能 | 配管された管を開店することなく接続できるため、上下または左右から管相互の接続が可能 |
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留意事項 | 口径が大きい場合はフランジ継手が用いられる |
用途及び機能 | クロスとは十字状の形状をした継手で、4つの管を接続する |
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留意事項 | 装置配管にはあまり使用されない |
用途及び機能 | 口径の異なる管の接続 |
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留意事項 | 口径の大きい箇所が上流側とする。 |
設置個所 | 上部にある配管など |
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用途及び機能 | 鋼管・塩ビ管など各種配管で、天井から吊り下げられる横引き配管の支持金具 |
設置個所 | 上部にある蒸気配管などの伸縮する管 |
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用途及び機能 | 蒸気管などの伸縮配管をローラー機構で支持することにより、スムーズな配管伸縮を行い、配管にかかる熱応力を減少させる |
用途及び機能 | アルファベットのU字型をした形状の両先端にねじが切ってありパイプの保持に使用 |
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用途及び機能 | 横走り管を躯体の壁から支持固定するための 支持金具 |
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写真鑑定での泡消火設備は、かならず出題されます。
特に泡混合装置に関する問題は100%に近い出題率を誇りますので、必ず理解するようにしてください。
用途及び機能 | 泡消火薬剤を貯蔵する |
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用途及び機能 | 泡消火薬剤を貯蔵する |
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出典―ニッタン
用途及び機能 | 防護対象の表面を一気に被覆したり、防護対象の空間を埋め尽くして、消火や抑制するために用いられる |
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出典―ニッタン
用途及び機能 | 水溶液を泡に生成して広範囲に放射する |
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出典―ニッタン
用途及び機能 | 手動にてバルブを開けて泡消火設備を起動させる |
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スプリンクラー設備に関しても出題されます。
私の時は「放水型ヘッド」が出題され回答することができませんでした・・・
基本的に『開放型スプリンクラーヘッド』の出題率が高いです。
しっかりと覚えておきましょう。
設置個所 | ホテル、デパート、劇場など高天井で開放的なアトリウム空間 |
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用途及び機能 | 火災感知器などとの連動によって防護区画を広範囲にカバーする 強力な放水によって短時間で消火することが可能 |
留意事項 | 放水部の周囲には、散水の障害となるような物品等が設けられ又は置かれていないこと |
下向型
上向型
設置個所 | 一般事務所・百貨店・スーパー・病院など |
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用途及び機能 | 平常時は水の出口が閉鎖されており、一定の温度に達すると感熱部が作動することによって出口が開放し散水する |
留意事項 | 上向型と下向型があるので取りつけ方向を確認する |
下向型
出典―ニッタン
上向型
設置個所 | 舞台部の天井、小屋裏で室内に面する部分、すのこ、渡りの下部 |
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用途及び機能 | 閉鎖型スプリンクラーの分解部分がないもの(開放状態)で、舞台部のように天井が高く火災が急激に拡大する恐れがある場所に設ける |
留意事項 | 上向型と下向型があるので取りつけ方向を確認する |
設置個所 | スプリンプラーヘッド |
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用途及び機能 | スプリンプラーヘッドを衝撃などから保護する |
ラック式倉庫
設置個所 | ラック倉庫などを設けた部分に設置するスプリンクラーヘッド |
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用途及び機能 | 他のスプリンクラーヘッドからの被水を防止する |
留意事項 | 直下に設けるスプリンクラーヘッドには、被水防止板を設けなくても良い |
設置個所 | 道路のトンネル・駐車場の他、指定可燃物を貯蔵・取り扱う場所など |
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用途及び機能 | 噴霧ヘッドから水を噴霧状に放射して、火点一帯を包み、火災を消火するもので、主として冷却作用及び水蒸気により、酸素の遮断し燃焼を阻止する |
留意事項 | 道路の用に供される部分又は車両が駐車する場所には、排水設備を設ける必要がある |
工具も良く出題される項目です。
電気工事士試験でも使用する物が多いので、覚えやすいかと思います。
用途を問われることは滅多にありませんが、覚えておいて損はないです。
用途及び機能 | 発砲試験の発泡倍率(膨張比)、25%還元時間を測定する |
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用途及び機能 | 発砲試験の発泡倍率(膨張比)、25%還元時間を測定する |
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用途及び機能 | 発砲試験の発泡倍率(膨張比)、25%還元時間を測定する |
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用途及び機能 | 閉鎖型スプリンクラーヘッドの本体を取り付ける |
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留意事項 | ヘッドを設置する際は、必ず型式ごとの線用レンチを所定の箇所にあててねじ込む。 パイプレンチや型式の異なるヘッドのレンチを使用すると、漏水や破損の原因になる。 |
用途及び機能 | パイプを正しく切るために保持する |
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用途及び機能 | 配管に使用される管用ねじのおねじを切る |
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用途及び機能 | パイプの取付けなどに使用する |
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用途及び機能 | 管を常温で扁平することなく曲げる |
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用途及び機能 | パイプを切断する |
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用途及び機能 | パイプの取付けなどに使用する |
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出典―RIDGID
用途及び機能 | 切断面の端部処理(バリ取り)に使用する |
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混合装置の名称や配管記入問題は必ずと言ってもいいほど出題されますので、絶対に覚えるようにしてください。
おすすめできる第2類消防設備士の参考書は正直ありません。
ただ参考書がないと何も始まりませんので、私が使用したものを紹介します。
私が使用した参考書は下記2冊になります。
「消防設備士受験直前対策 第1・2・3類」は、1類消防設備士と3類消防設備士でも流用が可能です。
また、消防設備士試験で各類のオススメ参考書の紹介と、参考書の選び方については、↓こちらで解説していますのでお時間あるときにでもご確認ください。
>>>各類消防設備士免状取得の為の参考書の選び方│合格者が使用した本を選ぼう
ほとんどの2類消防設備士参考書は内容が薄いです。
どの参考書も似たり寄ったりの内容となってます。
そのなかでも、何冊か見てみて私が一番良いと思った2類消防設備士の参考書は【ラクラクわかる! 2類消防設備士 集中ゼミ】になります。
この参考書に書いてあるものを全て覚えれば、必ず合格はできます。
問題も多めに記載されていますので、理解しやすいです。
内容も1類を取得している方は、ほとんど同じ内容ですので勉強時間を少なくすることも可能となります。
資格試験に問題集は必須です。
必ず活用するようにしてください。
消防設備士2類ですと【消防設備士2類模擬試験問題集】がオススメになります。
とにかく問題数をこなして覚えていきましょう。
様々な写真や図で解説してあるので、とても分かりやすいです。
文字も大きいので読みやすいですし、問題集も軽くついています。
また、1~3類の消火設備全てに対応しているので、2類・3類も受験予定の方はこの一冊があるととても重宝しますので、購入をオススメします。
ただし、日本消防設備安全センターでしか購入できませんので、送料等で高くついてしまいます。
消防設備士受験直前対策 第1・2・3類 – 消防防災関係図書のオンラインショップ |
今回は第2類消防設備士の
について書かせていただきました。
しっかりと勉強すればだれでも合格はできます。
消火栓設備の種類から扱い方などの問題もあり、防火防災などの災害知識としても役に立つことが身に付けます。
資格取得と合わせて、災害への関心も深めていただければと思います。
消防設備士全体の概要は↓こちらで解説させていただきました。
全ての消防設備士の取得を目指している方は、見ていただければ少しはお手伝いができるかと思います。※特類を除く
すこしでも参考にしていただけたら幸いです。
では、ぶちキリンでした。
Twitter: @buchikirin1もやってますので、ぜひフォローの方よろしくお願いします。