第4類消防設備士試験の実技試験には『鑑別等試験』と『製図試験(甲種のみ)』があります。
問題数としては
となります。
鑑別等試験では、「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」からの問題も多く出題されます。
しっかりと「消防関連法令Ⅱ」や「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目も理解しておきましょう。
この記事では、第4類消防設備士試験の実技試験『鑑別等試験の写真鑑定』に焦点を絞って解説させていただきます。
第4類消防設備士の概要については↓
>>>第4類消防設備士を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
で解説させていただきましたので、興味がある方はご確認ください。
鑑別等試験では基本的に以下のものが出題されます。
などが出題されやすいです。
「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を基礎として出題されることが多いです。
まずは「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の項目を理解しておきましょう。
第4類消防設備士の写真鑑定問題では、多くの機器や工具などが出題されます。
分かりやすいものから徐々に時間をかけて覚えることが重要です。
また、第4類消防設備士の機器は比較的たくさんの施設に設置されていますので、日常でも確認しながら覚えると身につきやすいです。
以下に出題が多い機器を紹介していきます。
機器の写真については、ニッタンのホームページを見るのがオススメです。
ニッタン株式会社の日本国内ポータルサイトです。製品情報、サポート情報の他、会社情報、採用情報などをご覧頂けます。 ニッタン株式会社 – |
感知器は、熱感知器、煙感知器ともに出題されやすいです。
名称や動作原理は必ず覚えるようにしましょう。
動作原理は「空気の膨張」、「温度検知素子」の基本2パターンですので、形と動作原理が結びつくようにしっかりと覚えてください。
出典―ニッタン
埋込型
↑動作原理:空気の膨張を利用
防水型
↑動作原理:温度検知素子を利用
定温式スポット型感知器は、様々な場所で利用されるため種類が多いです。
動作原理は「バイメタルの反転」、「金属膨張係数の差」の基本2パターンですので、形と動作原理が結びつくようにしっかりと覚えてください。
出典―ニッタン
出典―ニッタン
耐酸型・耐アルカリ型・防水型
↑動作原理:バイメタルの反転を利用
防爆型
↑動作原理:金属の膨張係数の差を利用
光電式スポット型感知器は「煙による光電素子の受光量変化」を検知します。
埋込型
↑動作原理:煙による光電素子の受光量変化を検知
イオン化式スポット型感知器は「煙によるイオン電流変化」を検知します。
↑動作原理:煙によるイオン電流変化を検知
※生産終了の為出題される可能性は低いです。
動作原理は「空気の膨張」、「熱電対による熱起電力」の基本2パターンですので、形と動作原理が結びつくようにしっかりと覚えてください。
そのままですが、空気管を利用していれば「空気の膨張」、熱電対を利用していれば「熱電対による熱起電力」になります。
↑動作原理:空気の膨張を利用 又は 熱電対による熱起電力を利用
光電分離式型感知器は、「送光部と受光部間の煙による受光量の変化」を検知します。
↑動作原理:送光部と受光部間の煙による受光量の変化を検知
炎感知器には紫外線式スポット型と赤外線式スポット型の2種類があります。
見た目で判断しやすいので、覚えやすいかと思います。
紫外線式スポット型
↑動作原理:炎から発生する紫外線を検知
赤外線式スポット型
↑動作原理:炎から発生する赤外線を検知
感知器用プロテクタは「感知器を衝撃などから保護」する役割があります。
プロテクタのみの記載だと、スプリンプラーヘッドプロテクタなどもある為、不正解となる可能性がありますので「感知器用プロテクタ」と記載するようにしましょう。
↑用途:感知器を衝撃などから保護する
受信機と発信機の出題数も多めなので、しっかりと覚えておきましょう。
受信機に関しては、用途などを問われることはあまりないと思います。
出題傾向としては「回線数」が問われるくらいだと思いますので、「構造・機能および工事または点検・整備の方法」でしっかりと理解しておきましょう。
P型1級受信機は「多回線」「1回線」と出題しにくいので、出題されるとしても名称のみとなる場合が多いです。
P型2級受信機は回線数が「5回線以下」「1回線」ですので、出題される確率は比較的高いです。
「名称と写真の回線数を答えよ。」、「名称と回線数まで接続できるか答えよ。」といった出題が出ます。
G型に関しては、出題される可能性は低いです。
GR型またはG型に関しては、名称の出題が多いです。
デジタル表示になっていればR型になりますので、答えやすいかと思います。
GP型3級受信機に関しては、出題される可能性は低いです。
P型受信機の機能に、ガス漏れ検知器から発せられた信号を受信して、ガス漏れを報知する(G型受信機)の機能を併せもつ受信機です。
※試験では受話器タイプが出題される確率が高いです。
火災通報装置に関しては、出題される可能性は高くも低くもないです。
たまに出題されますが、試験では受話器タイプが出題される確率が高いです。
しっかりと覚えておきましょう。
発信機は1級・2級ともに同じ形です。
用途を問われることもあるので、覚えておきましょう。
用途:手動で火災発生を受信機に報知する
地区音響装置は1級・2級ともに同じ形です。
用途を問われることもあるので、覚えておきましょう。
用途:火災発生を在館者へ報知する
表示灯は1級・2級ともに同じ形です。
用途を問われることもあるので、覚えておきましょう。
用途:火災発生を光で認識させる。消火栓ポンプの起動を知らせる。など
※ちなみに表示灯のサイズは「Bカップに限りなく近いAカップサイズ」です(笑)
機器収容箱の出題率はそれほど高くありませんが、一応覚えておきましょう。
用途:発信機、地区音響器、表示灯を一つの箱に収めるもの
表示灯用発光ダイオードの出題率は低いです。
用途:表示灯の発光
中継器に関しては、ちょくちょく出題されています。
しっかりと覚えておきましょう。
用途:感知器や発信機などの信号を、他の中継器や受信家などへ中継する
重要なものですので出題率は高めです。
しっかりと覚えておきましょう。
用途:受信機に接続する感知器回路の導通試験を行うために、終端へ接続する
工具も良く出題される項目です。
電気工事士試験でも使用する物が多いので、覚えやすいかと思います。
用途を問われることは滅多にありませんが、覚えておいて損はないです。
用途:パイプを正しく切るために保持する
用途:配管に使用される管用ねじのおねじを切る
用途:針金や銅線を切ったり曲げたりする
用途:銅線や鉄線、針金など線材の切断
用途:被覆電線などの被覆を剥がす
用途:管を常温で扁平することなく曲げる
用途:パイプを切断する
用途:電線と圧着端子を圧縮接合する
測定器と試験器も良く出題される項目です。
特に絶縁抵抗計は出題率がかなり多いので必ず覚えてください。
加熱試験器は消防設備点検で使用する試験器になります。
出題されやすいので、覚えておきましょう。
用途:スポット型熱感知器の動作試験
加煙試験器は消防設備点検で使用する試験器になります。
出題されやすいので、覚えておきましょう。
用途:スポット型煙感知器の動作試験
メータリレー試験器は消防設備点検で使用する試験器になります。
実際に使用することは少ないですが、出題されやすいので、覚えておきましょう。
用途:熱電対式差動分布型感知器の動作試験、回路合成抵抗試験
煙感知器用感度試験器は消防設備点検で使用する試験器になります。
実際に使用することは少ないですし、出題率も低いです。
用途:煙感知器の感度試験
赤外線式スポット型感知器作動試験器は消防設備点検で使用する試験器になります。
出題率は低いです。
用途:赤外線を放射して炎感知器動作確認
空気管試験器は出題率がとても高いです。
「マノメータ」「試験ポンプ」と別々で出題されることもあるので、しっかりと覚えておきましょう。
用途:空気管式差動分布型感知器の流通試験、接点高水試験
減光フィルターもちょくちょく出題されています。
しっかりと覚えておきましょう。
用途:光電式分離型煙感知器の作動試験
差動スポット試験器は使用しているところを見たことがありません。
出題率はちょくちょく出題されています。
しっかりと覚えておきましょう。
用途:試験困難な場所にある差動式スポット型感知器空気管を伸ばし、出入り口付近の安全な場所で作動試験を行う。
用途:電圧、電流、回路抵抗を測定する
用途:絶縁抵抗を測定する
出典―日置電機
用途:音響装置の音圧を測定する
測定用特性レンジ:Aレンジ(A特性)
出典―日置電機
用途:接地抵抗を測定する
出典―日置電機
用途:電圧の有無を検知
ガス漏れ検知器の鑑別等試験での出題はあまり多くはないですが、たまーに出題されます。
難しくはないので覚えておいて損はないでしょう。
用途:ガス漏れをブザーやランプで報知する。ガス漏れを受信機へ報知する。
用途:ガス漏れをブザーやランプで報知する。
用途:ガス漏れを発行して周囲へ認識させる。
用途:複数のガス漏れ検知器を接続して報知する。
用途:試験ガスを加え、 ガス漏れ表示するまでの時間を測定
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鑑別等試験及び製図の部分においてもこの「工藤本」は分かりやすく丁寧に記載されています。
今回紹介した写真鑑定問題も「工藤本」を参考に紹介させていただきました。
また、消防設備士試験で各類のオススメ参考書の紹介と、参考書の選び方については、↓こちらで解説していますのでお時間あるときにでもご確認ください。
>>>各類消防設備士免状取得の為の参考書の選び方│合格者が使用した本を選ぼう
第4類消防設備士を受験される方のほとんどは、この『わかりやすい!第4類消防設備士試験』を購入されます。
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この記事では
について解説させていただきました。
写真鑑別問題は『暗記』あるのみです。
今回紹介してない、見たこともないような問題も出題されることがあります。
そこは正直運が絡んできますが、取あえず今回紹介した機器を覚えておけば問題ありません。
『構造・機能および工事または点検・整備の方法』をしっかりと勉強し、鑑別等試験の勉強に励んでください。
また、試験でここに掲載していない写真鑑定問題が出題されたら、教えていただけるとうれしいです。
どんどん追加していきます。
第4類消防設備士の概要については↓
>>>第4類消防設備士を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
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すこしでも参考にしていただけたら幸いです。
では、ぶちキリンでした。
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