「冷凍」という文字から思い浮かべることといえば、大体の人が「冷蔵庫」を思い浮かべると思います。
間違いではありませんが、真夏に涼しい部屋でくつろいでいるのも冷凍です。
冷凍とは基本的に「大気の温度よりも低い温度にして物体を冷やすこと」を言います。
この記事では冷凍についての基礎を簡単に説明させていただきます。
下記で詳しく説明しますが、簡単に言うと
「圧縮機」→「凝縮器」→「膨張弁」→「蒸発器」→「圧縮機」→………
と熱エネルギーを循環させることを「冷凍サイクル」と呼びます。
冷凍方法には基本的に3つの方法があります。
「融解熱」と「昇華熱」は大規模かつ長時間冷凍することは困難です。
日常使用している冷蔵庫やエアコン、大型施設などで使用される冷凍機器は「蒸発熱」を利用して冷凍しています。
簡単に言うと、「氷(個体)」を「水(液体)」にするために必要な熱エネルギー量です。
漁港などで魚を発泡スチロールに入れ、氷で冷やす映像などを見たことありませんか?
あれは融解熱を利用して冷凍しています。
簡単に言うと、「氷(個体)」を「蒸気(気体)」にするために必要な熱エネルギー量です。
アイスクリームを買った際に、ドライアイスをいれて冷凍したことはありませんか?
あれは二酸化炭素を個体にしたドライアイスを、昇華熱を利用しながら冷凍しています。
簡単に言うと、「水(液体)」を「蒸気(気体)」にするために必要な熱エネルギー量です。
夏場などで打ち水をすると、その周辺は涼しく感じます。
これは蒸発熱を利用した冷凍になります。
ちなみに気化熱とも言います。
健康診断などで、献血する前にアルコール消毒をされます。
その際にヒヤっとした経験はありませんか?
これは塗ったアルコールが体温で蒸発して、皮膚の表面から熱を吸収しているからです。
このように液体には
液体が蒸発して気体になるとき、周囲の物体から熱を奪う
という性質があります。
この性質を利用して冷凍装置(エアコンや冷蔵庫など)は作られています。
しかし、蒸発させるだけではコストがかかってしまうため、蒸発した回収し再利用しなければなりません。
そのため冷凍装置には、基本4つの機器が備わっています。
冷凍装置には
の機器が装備されています。
大気圧では水は基本100℃で蒸発(沸騰)します。
しかし、山などの気圧が低い場所では100℃以下で沸騰する性質があります。
※富士山の山頂では86℃で沸騰します。
逆にいうと、気体は圧縮して高圧にすれば液化しやすいということになります。
圧縮機は気体を高圧に圧縮して液化しやすくする装置になります。
圧縮機については、↓こちらで解説していますので興味がある方はご確認ください。
>>>【圧縮機(コンプレッサー)】について解説!│冷凍機械で一番重要な主要機器
上記で書いた圧縮機では、気体を高圧にはできますが液体に液化することができません。
自然界には「エネルギー不滅の法則」というものがあります。
液体が蒸発した際に周囲から奪った熱エネルギーは、その気体の中に蓄えられます。
つまり、気体に蓄えられた熱エネルギーを排除しなければ液化ができないのです。
その熱エネルギーを冷却して除去するのが凝縮器となります。
凝縮器については、↓こちらで解説していますので興味がある方はご確認ください。
圧縮機で説明したとおり、液体を蒸発させるためには低圧状態の方が蒸発しやすくなります。
凝縮器で液化された液体は、圧縮機から送られてきた気体を液化している為、高圧に圧縮されています。
つまり、今度は高圧状態の液体を低圧にする必要があります。
高圧の液体を低圧の液体にする装置(弁)が膨張弁となります。
膨張弁で低圧になった液体を蒸発器へ送り、
「冷凍装置(エアコンや冷蔵庫など)の原理」で説明した通り
液体が蒸発して気体になるとき、周囲の物体から熱を奪う
ということから、接触している物(空気や水など)から熱を奪い冷凍します。
冷凍する際、液体から気体へ蒸発しますので、また圧縮機に送り込み気体を高圧に圧縮します。
蒸発器については、↓こちらで解説していますので興味がある方はご確認ください。
この記事では
について、熱工学で基礎となる冷凍サイクルについて書かせていただきました。
これが理解できれば、冷凍機械責任者試験で必要な基礎が固められます。
冷凍機械責任者については、別記事にて詳しく解説しています。
『第三種冷凍機械責任者』、『第二種冷凍機械責任者』について解説していますので、お時間あるときにでもご確認いただけたら嬉しいです。
>>>第三種冷凍機械責任者を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
>>>第一種冷凍機械責任者を取得しよう!勉強方法とおすすめ参考書
まずは基礎から固めて、応用につなげましょう。
ちなみに冷凍サイクルを逆に考えると、ボイラー技士の知識で必要なカルノーサイクルがわかります。
ボイラー技士については、、↓こちらで解説していますので興味がある方はご確認ください。
冷凍サイクルについて、もっと詳しく勉強したい方は
「図解入門よくわかる最新冷凍空調の基本と仕組み」
に詳しく記載されていますので読んでみてください。
冷凍サイクルを覚えつつ、冷凍機械責任者試験でも使える参考書としては、
この3冊は汎用性が高いので、1冊ずつ持っておくだけで冷凍に関する知識は十分にカバーできます。
とてもおすすめできる参考書です。
一人でも多くの方の参考になれば幸いです。
では、ぶちキリンでした。
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