建物設備では消火器や火災感知器、やスプリンクラー、消火栓などの消防設備が設置されています。
消防設備を設置したり、
点検したりするのには「消防設備士」の資格が必要になります。
消防に関する資格は多くあります。
今回紹介する「消防設備士」だけでも8種類、甲種乙種を分けると13種類になります。
今回は8種類あるうちの中から「第2類消防設備士」に焦点を合わせて解説します。
ビルメンが持つべき資格としては賛否両論ありますが、持っておいて損はない資格です。
確かに会社や転職などでは評価されにくい資格ではあります。
ただし、私個人の意見になりますが、消防設備士の勉強をするだけで「防災や災害」への意識が向上します。
消防設備の概要を抑えておくだけで、いざというとき(災害時等)に役に立つのではないかという思いもあります。
各消防設備の扱い方や役割を、多くの方に理解していただきたいと思っています。
話がそれましたが、この記事では元警備会社系列ビルメンで、消防設備を多く見てきた私が解説させていただきます。
消防設備士の資格の中で、第2類消防設備士が扱える消防設備は「泡消火設備」になります。
泡消火設備は、危険物を扱っている施設や、駐車場がある建物に設置されています。
ビルメンが管理する物件では、たまに泡消火設備を扱っている施設もありますが、かなりのレア枠になります。
第2類消防設備士には「乙種」「甲種」の2種類があり、乙種が行えるのは点検と整備のみです。
甲種は乙種の点検と整備に加え、新設や改修などの工事も行えます。
泡消火設備の点検や整備、工事といった作業は「第2類消防設備士」の独占業務となります。
第2類消防設備士の試験科目及び問題数は以下の表のとおりです。
特類 | 第1類 | 第2類 | 第3類 | 第4類 | 第5類 | 第6類 | 第7類 | ||||
甲種 | 筆記 | 消防関係法令 | 全ての指定区分に共通する部分 | 15 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | ||
指定区分ごとに異なる部分 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | ||||||
(小計) | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | |||||
工事整備対象設備等の構造、機能および工事または整備の方法 | 15 | ||||||||||
工事整備対象設備等の性能に関する火災及び防火に関わる知識 | 15 | ||||||||||
機械又は電気に関する基礎知識 | 機械に関する部分 | 6 | 6 | 6 | 10 | ||||||
電気に関する部分 | 4 | 4 | 4 | 10 | |||||||
(小計) | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | ||||||
消防用設備等の構造、機能および工事または整備の方法 | 機械に関する部分 | 10 | 10 | 10 | 12 | ||||||
電気に関する部分 | 6 | 6 | 6 | 12 | |||||||
規格に関する部分 | 4 | 4 | 4 | 8 | 8 | ||||||
(小計) | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | ||||||
合計 | 45 | 45 | 45 | 45 | 45 | 45 | |||||
実技 | 受験に係る消防用設備等に関する鑑別等 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | |||||
受験に係る消防設備等に関する製図 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | ||||||
試験時間 | 2時間45分 | 3時間15分 | |||||||||
乙種 | 筆記 | 消防関係法令 | 全ての指定区分に共通する部分 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | |
指定区分ごとに異なる部分 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | ||||
(小計) | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | ||||
機械又は電気に関する基礎知識 | 機械に関する部分 | 3 | 3 | 3 | 5 | 5 | |||||
電気に関する部分 | 2 | 2 | 2 | 5 | 5 | ||||||
(小計) | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | ||||
消防用設備等の構造、機能および工事または整備の方法 | 機械に関する部分 | 8 | 8 | 8 | 9 | 9 | |||||
電気に関する部分 | 4 | 4 | 4 | 9 | 9 | ||||||
規格に関する部分 | 3 | 3 | 3 | 6 | 6 | 6 | 6 | ||||
(小計) | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | ||||
合計 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | ||||
実技 | 受験に係る消防用設備等に関する鑑別等 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | |||
試験時間 | 1時間45分 |
乙種:筆記30問、実技5問 計35問
甲種:筆記45問、実技7問 計52問
になります。
また、甲種を受験される場合は受験資格が必要となります。
受験資格については、↓こちらの記事で解説させていただきましたので確認ください。
第2類消防設備士(甲種)は「甲種1類」「甲種3類」を取得している場合、
第2類消防設備士(乙種)は「甲種1類」「甲種3類」「乙種1類」「乙種3類」を取得している場合、
が免除になります。
上記以外の消防設備士を取得している場合、
が免除になります。
また、他資格や実務経歴によっても免除できる項目がありますので、一般財団法人 消防試験研究センターHPをご確認ください。
国家資格である危険物取扱者試験と消防設備士試験の実施機関です。 受験案内|一般財団法人消防試験研究センター – |
私個人の意見としては、科目免除はおすすめしません。
科目免除できる「消防関係法令の共通部分」、「基礎的知識」は勉強すれば簡単に出題数の80~100%を獲得できます。
他科目はそれなりに勉強しないと60%下回ることもありますので、取れる科目で点数を稼いだ方が無難です。
第2類消防設備士の合格基準は、
で合格となります。
試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方を合格としてます。
第2類消防設備士は、比較的簡単な資格になります。
勉強時間は、しっかり勉強すれば2~3週間程で取得可能です。
他類の消防設備士を持っていれば、1~2週間あれば取得可能です。
参考書を繰り返し読んで勉強しておけば問題ありません。
特に1類消防設備士を取得された方でしたら、覚える内容もほとんど同じため、比較的短時間での取得が可能となります。
「消防関係法令」・「構造・機能および工事または点検・整備の方法」の勉強方法については、参考書を繰り返し読んで勉強しておけば問題ありません。
そのうち勝手にインプットされるはずです。
どうしても覚えられない部分は、試験直前に参考書を確認し、試験開始と同時に問題用紙へ書いてください。
もし、その問題が出た場合、問題用紙に書いた部分を確認すれば簡単に解けます。
私も設置基準などの細かい数字を覚えるのは、苦労した記憶があり、上記の方法を活用してました。
ただし、細かい数字は『実技試験』の方でも出題されることが多いです。
できるだけしっかりと記憶しておいた方が無難です。
大体の方が「4類消防設備士」か「6類消防設備士」を取得後に受けられると思いますが、もしも消防設備士試験が初めての方は「消防関係法令」に関しては、しっかりと覚えてください。
今後他類を受験する際や、ビルメンなら消防監査時にとても役に立ちます。
鑑別等試験の写真鑑別では、写真に対して「名称」「使用用途」などが出題されます。
鑑別等試験の写真鑑別については、↓こちらで解説させていただきましたのでご確認ください。
>>>第2類消防設備士の実技試験 鑑別等試験『写真鑑定問題』をマスターしよう!
他にも「弁の構造」や「試験方法」なども出題されます。
「構造・機能および工事または点検・整備の方法」をしっかり理解していないと解けない問題が多く出題されるので、しっかりと「構造・機能および工事または点検・整備の方法」を理解することが重要です。
甲種受験では「製図」についても出題されます。
製図問題は、問題集を覚えるだけでなく、紙に書きながら練習して覚えてください。
フリーハンドで汚くても大丈夫です。
配線や配管が、グニャグニャに曲がってたりしてても減点にはなりません。
参考書を元に、とにかく数をこなして覚えましょう。
また、計算問題も出題されますので、筆記の内容も理解しながら勉強してください。
おすすめできる第2類消防設備士の参考書は正直ありません。
ただ参考書がないと何も始まりませんので、私が使用したものを紹介します。
私が使用した参考書は下記2冊になります。
「消防設備士受験直前対策 第1・2・3類」は、1類消防設備士と3類消防設備士でも流用が可能です。
また、消防設備士試験で各類のオススメ参考書の紹介と、参考書の選び方については、↓こちらで解説していますのでお時間あるときにでもご確認ください。
>>>各類消防設備士免状取得の為の参考書の選び方│合格者が使用した本を選ぼう
鑑別等試験の写真鑑別については、正直なところ何が出題されるかは運次第です。
なるべく多くの機器を見ておきましょう。
鑑別等試験の写真鑑別については、↓こちらで解説させていただきましたのでご確認ください。
>>>第2類消防設備士の実技試験 鑑別等試験『写真鑑定問題』をマスターしよう!
ほとんどの2類消防設備士参考書は内容が薄いです。
どの参考書も似たり寄ったりの内容となってます。
そのなかでも、何冊か見てみて私が一番良いと思った2類消防設備士の参考書は下記で紹介している物になります。
この参考書に書いてあるものを全て覚えれば、必ず合格はできます。
問題も多めに記載されていますので、理解しやすいです。
内容も1類を取得している方は、ほとんど同じ内容ですので勉強時間を少なくすることも可能となります。
様々な写真や図で解説してあるので、とても分かりやすいです。
文字も大きいので読みやすいですし、問題集も軽くついています。
また、1~3類の消火設備全てに対応しているので、2類・3類も受験予定の方はこの一冊があるととても重宝しますので、購入をオススメします。
ただし、日本消防設備安全センターでしか購入できませんので、送料等で高くついてしまいます。
消防設備士受験直前対策 第1・2・3類 – 消防防災関係図書のオンラインショップ |
今回は第2類消防設備士の
について書かせていただきました。
しっかりと勉強すればだれでも合格はできます。
消火栓設備の種類から扱い方などの問題もあり、防火防災などの災害知識としても役に立つことが身に付けます。
資格取得と合わせて、災害への関心も深めていただければと思います。
消防設備士全体の概要は↓こちらで解説させていただきました。
全ての消防設備士の取得を目指している方は、見ていただければ少しはお手伝いができるかと思います。※特類を除く
一人でも多くの方の参考になれば幸いです。
では、ぶちキリンでした。
私のプロフィールは、↓こちらに記載していますので興味がありましたらご確認ください。
>>>メッセージ&プロフィール ブログを始めた理由と保有資格
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